「プロパティマネジメント」は「賃貸管理」とはなにが違うの? - 満室経営新聞
2015.11.26

「プロパティマネジメント」は「賃貸管理」とはなにが違うの?

2000年ごろから聞き始めた、「プロパティマネジメント」という言葉。これって結局、「賃貸管理」なんでしょ?という声も聞こえそうですが、違う部分も多そうです。仲介米国公認不動産経営管理士資格・CPM(R)を保有する、一歩進んだ賃貸管理のプロによるコラムです。

「プロパティマネジメント」は「賃貸管理」とはなにが違うの?

(この記事は満室経営新聞1号・2010年3月に掲載された連載「プロパティマネージャー日記~3400戸の大家さん」です)

当社は現在首都圏で約3,400戸の物件を管理させて頂いておりますが、その内の約90%の物件をマスターリース契約(転貸借)で運用しております。転貸借で運用するということは、賃貸借契約において、当社が貸主となり、契約業務の当事者として入居者と賃貸借契約を締結しております。 またその内の約65%の物件に空室保証を付けておりますので、現状の賃貸市況における、オーナーの悩み(空室・滞納)・入居者トラブルも同じ目線で解決策を見出せると考えております。
これからの連載で実際に現場にて当社が対応した事例などもあげさせて頂こうと思いますので、是非皆様の賃貸運用のお役に立てればと考えております。

目的は、不動産価値の最大化

まず、2000年あたりから、「プロパティマネジメント」なる言葉が業界を賑わし始めましたが、この「プロパティマネジメント」と今までの「賃貸管理」とは、一体何が違うのでしょうか?
「プロパティマネジメント」の定義を問われれば、それは「オーナーの持つ不動産の運営に携わり、その収益の最大化を図ることにより、結果その不動産の価値の最大化を達成すること」であると当社は考えております。
この「価値の最大化」という文言で、「収益÷期待利回り=不動産の価格(価値)」という公式が浮かび上がってくる「仕掛け」になっていますが、問題はいかに「収益の最大化」を図ることができるかにかかっています。これは、「いかに家賃を落とさずに、早く空室を決められるか」ということを指します。
最近の賃貸市況では「家賃の下げ幅を最小限にし、最小限の空室期間に留められる適正な家賃を見極める」と表現した方がもっとしっくりくるかもしれません。もちろん「家賃を下げない」ことは重要なことですが、その部分にばかりこだわりすぎ「空室期間が長期化」している物件が最近は多く見られます。結果、年間決算したときに、空室期間が長期化したために、昨年より収益が落ちてしまったという物件が多くなっています。
プロパティマネジメントにおける最も重要なことは、「TPOに応じた提案」ができること、であると考えています。

「仲介業」と「賃貸管理」の違い

また、日本の不動産業界における「賃貸業」は、基本的に「仲介業」から発展していきました。いまでも、賃貸管理業務をしていても、収益の主たるものは「仲介手数料」である会社は多いと思います。「仲介」というのは、あくまで部屋を借りる人からいただく収入です。 一方、「管理会社」がいただく「管理料」は、オーナーから取得するものですから、オーナーの利益に貢献しなければなりません。そのため、「仲介」と「管理」では、立場によって微妙に違う点があります。

たとえば、「解約」ですが、仲介の立場でいうと、入居者の「解約」は潜在的に歓迎すべきことかもしれません。その分仲介手数料を稼げるからです。
歓迎は大げさだとしても、少なくとも「解約」を抑止しようという意識は持っていないのが実態だと感じます。「解約の抑止」すなわち、英語では「テナント・リテンション(Tenant Retention)」と言いますが、これはプロパティマネジメントが確立しているアメリカにおいては、大変重要視されている事柄です。解約が多いほど空室期間が発生するわけですし、室内の原状回復のオーナー負担もあり損失が多くなります。解約を少なくすることも、オーナーの利益増に直結するのです。

更に、「プロパティマネジメント」は、「収益物件の経営代行」と言い換えることもできるでしょう。預かった物件の「経営」を任されているのです。経営ですから、利益を維持、もしくは成長させなくてはなりません。成約家賃の下落や空室期間の長期化という事態が発生したとき、経営を任されている責任上「情報を集め、原因を探り、問題点を発見し、対策を練る」ことをしなくてはなりません。対策案の提案、「改善提案」ができることが「賃貸管理」と「プロパティマネジメント」の違いではないかと思っています。

株式会社アートアベニュー
プロパティマネジメントの草分け的な存在として、業界内でも有名な不動産管理・コンサルティングの専門会社。「利益相反の禁止」を徹底しており、業者からのバックマージンは一切受け取らないなど、常にオーナーの側に立った業務の遂行には評価が高い。 代表の藤澤雅義氏は、2003年度のJREM・国際CPM協会会長。一般社団法人日本賃貸経営業協会理事。 http://www.artavenue.co.jp/index.php

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