2015.11.26

外国人入居者の日本語能力

訪日外国人が年々増えている昨今、とくに都市部では外国人入居者は避けては通れません。外国人をもっと知って不動産管理に役立てるコラムです。

外国人入居者の日本語能力

(この記事は満室経営新聞2号・2010年5月に掲載された連載「外国人入居のすべてが分かるコラム~外国人の日本語能力」です)

9割の外国人は日本語を理解できる

読者の皆様は“外国人”と聞くと何をイメージしますか。外国人入居への不安というのは、イメージによるところが大きいようです。

白人は日本語ができない。黒人は銃を持っている。
中国人はうそつき。韓国人はキムチくさい。

彼らと接していけば、こういった偏見は少なくなります。
例えば、日本に住む外国人の中で、英語圏はほんの数%。にもかかわらず、外国人というと、アメリカ人だと考える人はたくさんいます。韓国人と中国人という2つの国籍だけで、在日外国人総数の約5割です。アジア人だけで、ほぼ9割を占めているという現状をご理解ください。

また、東京都の9割の外国人は日本語をほぼ理解することができます。 話は聞けても、自分で話すことができない人は、7割。日本語の読み書き能力に関しては、9割の人が理解できます。漢字も9割の人が理解できます。
だから、外国人の入居で、日本語ができる人だけを対象にしても、特に問題ありません。

しかし「日本語ができる」という判断基準は、ひとそれぞれで、あいまいです。私たちと普通にコミュニケーションができるレベルでも、大家さんや不動産会社から判断すると「日本語ができない」ということになることもあります。もっというなら、国籍によっても異なる判断がされます。同等の日本語能力を持つ人でも、わたしたちは欧米人に対しては甘く、アジア人に対しては厳しい判断基準にしています。無意識に…、です。

日本語検定を判断基準に

やはり、日本語能力の判断は、企業で外国人を採用するように、日本語検定何級を有しているかを判断材料にすべきではないでしょうか。ちなみに日本語学校を卒業すると日本語検定2級を有することのできるレベルになっています。 反面、日本語検定を受けていなくても、日本語がうまい人はたくさんいます。そんなとき、この外国人は「日本語ができる」と私たちが判断するのは、伝えたことを理解できるかどうか。 この1点です。 そもそも日本人は、日本語に関してかなりシビアです。日本人は日本語以外の言語を使える人が少ないのもその要因の一つでしょう。だから、日本語は完璧に話したがるし、相手にもそれを求めます。が、要は通じればいいんです。

伝える工夫も大切

――あまり通じない…
そんなときは、発想を変えてみましょう。この外国人が日本語をできないわけではない。自分の日本語が伝わりづらいのだ、と。クッション言葉や敬語を使うと、外国人にとってわかりにくいだけです。私は外国人に日本語で対応するとき、話す場合と書く場合、2種類の日本語をわけています。1

まず話すとき。主語をしっかりつけて、ゆっくりと、ストレートな言い方で話す。日本人は主語が抜けている人が多いので、要注意です。「~してくれると幸いです」「もしよろしければ」など、クッション言葉はわかりにくくなります。なにをしてほしいのか。しないとどうなるのか。これらをはっきり伝えます。

次に書くとき。単語&漢字で書きます。感覚的に文章の意味を理解させます。実際、外国人にひらがなで資料を書いたら、わかりにくいから漢字で書いて欲しいといわれます。中国、韓国系は特にその特徴が顕著です。例えば、外国人向けに入居者募集のチラシを作ったとしましょう。チラシの中に入れる言葉としては、「審査&契約簡単。連帯保証人不要。外国人親切不動産。」こんな感じでOKです。人間は常にキーワードを見て、文章を勝手に補足しながら読んでいく生き物です。間違った日本語を見ても、意味は大体わかります。書くときはキーワードだけで伝えるようにしてみましょう。

外国人が一生懸命に伝えようとしていることも、ちょっと通じないからといって「この人は日本語できない」と判断するのか、自分からわかりやすい言葉で歩み寄るのかは、あなた次第。大家さんの物件でも、日本語が話せる、という解釈をさらに広げて、外国人の入居率アップを目指してみてはいかがでしょうか。

川田利典/株式会社座游 代表
実家の家具屋の業務を通じて不動産ビジネスに目覚め、不動産会社に入社。2006年に「NEC社会起業塾」選考コンペにて、塾生に選出。その後、外国人向け不動産の企画・提供や、外国人への偏見を無くす為、不動産管理を事業とする外国人専用不動産会社「座遊(The-You)」を設立。2007年、雑誌Newsweekの「世界を変える社会起業家100人」に選出される。 http://www.the-you.com

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