2015.11.26

外国人が部屋を探す時の問題

訪日外国人が年々増えている昨今、とくに都市部では外国人入居者は避けては通れません。外国人をもっと知って不動産管理に役立てるコラムです。

外国人が部屋を探す時の問題

(この記事は満室経営新聞19号・2011年12月に掲載された連載「外国人を入居させて満室に~外国人の部屋探しの問題」です)

減少する日本人、増加する外国人

日本の人口は、2011年7月1日現在、約1億2800万人となり、前年同月と比べて約15万人も減少しています。その一方で日本にいる外国人は、2005年には約141万人だったものが、2010年末には213万人に増えています。

今後、日本の国策として海外の留学生などを受け入れる方針を打ち出していますから、益々外国人の数は増加する事が予想されます。無駄な空き室を減らし、賃貸のパフォーマンスを上げるには、外国人も入居対象にしないと厳しい状況になってくることは明らかですし、逆に外国人を入居者の対象とした場合は、完全な貸し手市場となり得ます。

外国人を受け入れるメリットは、外国人は日本人よりも集客の時期が多いことが挙げられます。例えば学生に限ると、留学生の引越しシーズンは、4月、10月です。日本語学校の生徒は4月、7月、10月、1月の年4回もあります。また、外国人は日本に毎日入国していますから、毎日が部屋探しです。そう考えると1年中が集客の時期になります。

それから外国人の多くは、口コミから日本の情報を収集しています。そこに入居が出来て、快適な生活が送れることがわかれば、次のお客様を紹介してもらえます。

外国人が直面している困難

ところが、いざ外国人を入居させようと思っても、やっぱり部屋を貸すのはあまり気が進まないかもしれません。確かに近年、外国人による犯罪が報道され、風習の違いによる近隣住民とのトラブルを起こすといった話がよく聞かれます。その印象が根強くある為に、不動産業に携わる人も外国人に部屋を貸す事に消極的になっています。

ですが、日本で生活する多くの外国人の中で、そういった犯罪やトラブルを起こすような外国人はごく一部です。実際にはそのほとんどが真面目な学生や、勤勉な社会人なのです。ところが、外国人ということで日本では悪いイメージが定着してしまっている為、優良な外国人も部屋を借りられずに苦労をしています。例え安定した収入や、高い信用があっても敬遠されてしまうのです。

このように日本の外国人向け賃貸事情は、世界的に見ても稀なほどハードルが高いので、彼らはやむを得ずシェアハウスを利用したり、古いアパートなどで仕方なく暮らしているのです。

一方、外国人入居者に対して、不動産会社の対応はというと、これも残念ながら、非常に消極的であると言わざるを得ません。一般的にオーナーは不動産会社に入居者の集客を代行してもらっています。例え、外国人でも部屋を貸したいとオーナーが思っていても、要なトラブルを恐れて、外国人には出来るだけ貸したがらない不動産会社が多く、中には外国人の入居を拒否する為に、親族の日本人連帯保証人や、留学生に「収入証明書」の提出を義務付けたり、無理な条件を敢えて要求したりする不動産会社もあるくらいです。

入居者不足の今日、このような優良な外国人の需要があるにもかかわらず、不動産会社が外国人入居希望者を門前払いしている現状が続く限り、オーナーにとっても貸したいのに貸せない、優良な外国人にとっても借りたくても借りられないといった理不尽な状態が続くことになるのです。

吉田幸弘 行政書士グリンエア法務事務所
日本初「女性のための相続研究倶楽部」主宰。 行政機関に21年在籍、公立小学校・中学校・中央大学講師を務める。 国際連合、国民会議、とうきゅう環境浄化財団会議や、TV東京「テクノ探偵団」に解説者として出演するなど多方面で活躍。 国際理解教育学会正会員 http://greenair.jp/index.html
http://greenair.jp/myouzi1.html

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