利回りとローンについて考える2・成功大家さんとは2 - 満室経営新聞
2015.11.26

利回りとローンについて考える2・成功大家さんとは2

不動産投資が「成功した」「失敗した」とはいったいどういう基準で考えるべきでしょうか?「1」にひき続いて数値で明確に考えてみるコラム2回目です。

利回りとローンについて考える2・成功大家さんとは2

(この記事は満室経営新聞2号・2010年5月に掲載された連載「山田里志の誌上不動産投資セミナー~利回りとローンについて考える・その 2」です)

成功大家さんとは?

最近ですが、同じ札幌市内にある利回り約10%の物件で、約1億円前後のRCマンション(築十数年)を紹介(お勧め)しているメールを見たことがあります。そこには、

「○○駅から徒歩○分にある大変に良い立地」
「家賃は地域相場並」
「高稼働率で維持できる」
「積算評価>販売価格」

といった利点を並べて紹介しておりました。
購入当初はスケールメリットもあって、30年ローンを組めば満室時で、図1のような計算をおこなうとそれ相当の余剰金を手に出来ると思いますが、20年ローンを組んだ場合には、満室時で約15万円/月の余剰金にしかなりません。
しかもこれは満室での数字であり、掛け目が0.9というのは最高率(絵に描いた餅)かと思います。

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「平成20年度住宅・土地統計調査」のデータに基づいた空室率によると、東京ですら平均空室率が16.05%であり、全国平均となると23.07%にも上ります。

▼統計局ホームページ/平成20年住宅・土地統計調査
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2008/index.htm

仮に空室率を15%と仮定して余剰金(プラスのキャッシュフロー)を再計算してみましょう。経費を図2のように設定すると

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<30年ローンの場合>
1億円×0.1×0.7÷12ヶ月-40万円=約18万円/月

<20年ローンの場合>
1億円×0.1×0.7÷12ヶ月-60万円=▲約1.6万円/月

このようになります。(掛け目のうち、0.3は経費)

そして北海道の空室率は25.07%とさらに10%増しますから、数字はさらに悪化するものと思われます。
ましてこの利回り10%は購入時(大家業スタート時)のものです。今後は地域(立地)にも寄りますが、もしも私の札幌の物件のように10年で利回りが3%も下落したらどういう事態になるのかは、想像しただけで空恐ろしくなります。
怖いもの見たさで、10年後にこの物件の利回りが3%減少(つまり利回り7%)する場合をシミュレーションしてみることにしましょう。

<30年ローンの場合>
1億円×0.07×0.7÷12ヶ月-40万円=約0.83万円/月

<20年ローンの場合>
1億円×0.07×0.7÷12ヶ月-60万円=▲約19万円/月

(掛け目のうち、0.3は経費)

つまり30年ローンを組んで利回り10%程度の札幌の物件を購入した場合には、「10年後にはキャッシュフローが月1万円程度にしかならずに、それでいてローンはまだ20年間も残されている」という事態に陥りかねないということです。
しかも30年ローンの場合は、元利均等方式で当初は利息の支払いの方が多いわけですから、10年間返済しても元金の方はまだたっぷりと残っているという状況になります。
この時点で「出口戦略」なるものを行使しようとしても、それなりの利回りで売値をつけねばならず、その場合には「売値<ローン残高」という現象に陥る可能性もあります。こうなると大家業を続けるのも地獄、撤退するのもローンが残る地獄となりかねません。
様々なメリットが謳われていたこの物件。自他共に認める小心者大家の山田としては、長期的な視点で考えていった場合、リスクが一杯の利回り水準(物件)だと思ってしまいます。

元祖サラリーマン大家 山田里志

都内の国立大学を卒業後、紙関連のメーカーに勤務する。1993年転勤のためマイホームを他人に貸したことをきっかけに、副業としての不動産経営がスタート。その後、試行錯誤を重ねながら、5棟のアパート・マンションと2棟の一戸建て住宅を所有するまでに至る。総資産額は2億円に上り、年間家賃収入2000万円超、毎月の純家賃収入は100万円超。
http://wbs96425.blog118.fc2.com/
著書『あと5年で会社を辞めて豊かに暮らす仕組みのつくり方

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