2015.11.26

利回りとローンについて考える3・不良物件

不動産投資において、不良物件とは具体的にどういう物件のことでしょうか?利回りとローンの関係から考えるコラムです。

利回りとローンについて考える3・不良物件

(この記事は満室経営新聞3号・2010年6月に掲載された記事「山田里志の誌上不動産投資セミナー~利回りとローンについて考える その3」です)

私が考える「不良物件」の定義

私が4冊目となる拙書「あと5年で会社を辞めて豊かに暮らす仕組みのつくり方」(ごま書房新社)の中で、「利回りが10%程度の地方のRC物件を、30年ローンを組んで購入して大丈夫か」とあえて問題提起をしたのも、私のこうした実体験(前回の記事を参照)があるからでした。

書影

また「元祖勝ち組CD全集」の中では、上記のことを踏まえた上で、「もしも私が札幌の物件を購入するのであれば、その地域の同程度の間取り、広さ、設備、築年数の中でも最低の家賃設定で、なおかつ利回りが18%、20%以上でないと手を出さない」という趣旨のことを述べております。ですから、「○○駅から徒歩○分にある大変に良い立地」、「家賃は地域相場並」、「高稼働率で維持できる」、「積算評価>販売価格」という物件であっても、利回りが10%程度の物件は、私の中では不良物件になります。
ちなみに利回り19%で15年ローンを組んだ群馬県太田市の木造アパートは、購入後9年が経ちましたが、現在の利回りは18%台とあまり下落しておりません。これは購入当初の家賃設定が地域の中でも低い設定であったことと、立地(地域)が良かったことなどがあげられます。また平成21年度の年間延べ稼働率は93.3%でした。ですからこの物件からの純余剰金(プラスのキャッシュフロー)は、このようになりました。

〈図1〉 図入る

前回ご紹介した利回り約10%で約1億円の物件と、くしくも太田のアパートとほぼ同じ余剰金(プラスのキャッシュフロー)になります。

図入る

しかもローンの期間は15年と半分の長さです。どちらの物件のオーナーになることが、成功大家さんに近づくことになるかは、ほぼ推測できるのではないかと思います。
15年後、購入時の利回り10%の物件の大家さんは、余剰金がほとんどでない状態でまだローン期間を15年も残し、一方購入時の利回り19%の物件の大家さんは、完済して毎月約30万円前後の家賃収入を受け取ることになります。
私が高利回り(できれば16%以上)で高稼働率の物件をお勧めしているのも、やはりこうした経営をおこなってきた経験によるものからでした。

30年ローンは、リスクの大きい借金

ところで私は、ほぼフルローンに近い30年ローンを組んだ大家さんで、それを完済したという人に出会ったことがありません。つまり大多数の人が、現金購入や繰上げ返済は別として、 ローン期間を家賃収入からだけで完済した経験を持っていないのが今のサラリーマン大家さんではないでしょうか。
私は昭和63年と平成7年に新築で購入した2棟の返済経験があります。ローン完済の世界は実に爽快ですし、キャッシュフローに及ぼす好影響は素晴らしいものがあります。 平成13年に購入したアパートの返済期間は残り6年となりました。それでもこの9年間は長く感じられました。
札幌や自宅のローンは20年ローンですが、まだ9年を残しております。これだって「わずか9年」だとは思っておりません。ですから私にとっては「30年ローン」というものは、とてつもない長さのローンであり、大変にリスクの大きい借金であるという認識でおります。

また私は22歳で社会人となり50歳で早期リタイアしましたが、それでも28年間のサラリーマン生活は長かったです。それを考えると30年はやはり人生の大半を背負う年月だと思っています。私が拙書の中で「20年以内のローンでも十分なキャッシュフローが得られる経営を考える重要性」を強調してきたのも、私自身のこうした体験があるからです。

元祖サラリーマン大家 山田里志
都内の国立大学を卒業後、紙関連のメーカーに勤務する。1993 年転勤のためマイホームを他人に貸したことをきっかけに、副業としての不動産経営がスタート。その後、試行錯誤を重ねながら、5 棟のアパート・マンションと 2 棟の一戸建て住宅を所有するまでに至る。総資産額は 2 億円に上り、年間家賃収入 2000 万円超、毎月の純家賃収入は 100 万円超。
著書『あと 5 年で会社を辞めて豊かに暮らす仕組みのつくり方

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